世界を司る神の神殿に仕える、いかにも怜悧で端然とした風情を漂わせる巫女は、かつては大逆の罪人であったという。
盲てでもいるのか常に伏せられた瞳と、水瓶を運ぶのにも難儀しそうな細腕からは、彼女がそんな恐ろしい――逆賊などと呼ばれるような罪を犯したとはとても思えない。
――ただ、罪を思わせることがあるとすれば。
彼女は時折、己の腕を見る。閉じた――或いはごく細く開いた瞼の下から。まるで、その腕に記された見えない罪人の刺青を思うように。
盲てでもいるのか常に伏せられた瞳と、水瓶を運ぶのにも難儀しそうな細腕からは、彼女がそんな恐ろしい――逆賊などと呼ばれるような罪を犯したとはとても思えない。
――ただ、罪を思わせることがあるとすれば。
彼女は時折、己の腕を見る。閉じた――或いはごく細く開いた瞼の下から。まるで、その腕に記された見えない罪人の刺青を思うように。
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( 2010/03/06)
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