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2024/09/23

 馬鹿げている、と思うことがないわけではない。

 元から自分は移り気な方だと自覚しているし、一箇所に留まらずにふらふらと飛び回っている方が好きだ。
 こんな身分で言うのも何だが、その方が性に合っている。
 それなのにいざ城を抜け出してみれば、特に用があるわけでもないのに足を――慣用的にそう言うのであって、実際当てはめるとしたら「翼」にでもなるのだろうが――向けるのは大抵がこの男の所で、しかもそんな状態が既にだいぶ長く続いている。
 それほどまでにこの男が気に入っているのかと言ったら、確かに気に入ってはいるが、では何処が気に入っているのかと問われたら、実は少々答えに詰まる。
 何しろこの男は粗野だし無骨だし、力強さはあるが飛天での美徳たる優雅さなどは欠片もない。
 それに、自分は主導権を握る、或いは取り合うのが好きなのであって、握られるのが好きなわけではない。なのにこの男はと言ったら、機微には疎いし、無駄に強気だし、人の都合は無視して好き勝手なことをするし……まあ、それは自分も同じなのだが。
 いずれにしろ、こんな男に執心するなど、馬鹿げていると思うのだけれど。
 本当に、どういうわけなのか。
 包み込むように抱きしめる腕も、安定して響く低めの声も、どういう理由か酷く心地良くて、結局どうしても離れる気にはなれないのだ。


「…重症だな」
「…んー…?」
 独り言に返ってきた眠そうな声に、何でもないと返すと、それなら寝ろとでも言うのか何なのか、太い腕に引き寄せられる。
 横暴な腕の体温を心地良いと思いながら、メルキオールはシーツと広い胸に顔を埋めた。

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 バルメル。以前書いた「ジュ・トゥ・ヴ」の対と言うことで。

 この二人は、好みや今までの環境や常識から言ったら、相手は決して「理想の恋人」なんかではないのだけれど、それでもそのうち「理想」と言えるほど言い関係が築けていると良いな、と思うのです。

 ネタとはあんまり関係ないのですが、先日五ミリ方眼のメモを購入しました。
 覗き込まれたら困るようなことを書いているので、ネタを書くときは常に字が小さくなりがち(ノートの一行に四行くらい書ける)なのですが、そうすると見にくくて仕方がないのですよね……
 かといって罫線に合わせて書くのはちょっと落ち着かないですし……そう言うわけで方眼紙を購入したのですが、これが非常に使い勝手が良いです。
 ただ紙のサイズの関係で、上の内容だけでいっぱいいっぱいになってしまうのだけが難点。
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2006/04/18
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