それは耳を塞げないのに似ている。意識がなければ気付かないし、少し近付いたくらいの音量ならば聞き流せる。それでも瞳のように閉じることは出来ないし、突然大きな音がすればそちらに意識が向く。だからそう、例えば、
「磯砂さん」
こつ、と軽く額がぶつかった。 瞬間的に脳裏にぱっと弾ける鮮やかな色があって、瞬いた視界の中、無言で彼は小さく笑い、踵を返す。
『行ってくる。待ってて。お帰りって言って。』
一瞬の接触で流れ込んでくる言葉は、いつだって鮮やかに聞き逃すことを許さない。
「磯砂さん」
こつ、と軽く額がぶつかった。 瞬間的に脳裏にぱっと弾ける鮮やかな色があって、瞬いた視界の中、無言で彼は小さく笑い、踵を返す。
『行ってくる。待ってて。お帰りって言って。』
一瞬の接触で流れ込んでくる言葉は、いつだって鮮やかに聞き逃すことを許さない。
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( 2011/11/28)
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