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2024/09/23

最初は、小動物から始まる。たとえば、雀。蛙。あるいは愛玩されていた鼠。
それから、鶏、兎。見ているだけなら、馬や山羊。この辺りで大抵の子供は察しがついて、大体反応は二つに別れる。嫌がるか、耐えるか。そうでなかった者は、ここで振り落とされる。
振り落とされたものがどうなるのかは知らない。なんの関係もない所へ奉公にでもやられるのかも知れなかったし、なにか別のことを習うのかもしれない。いずれにしろ確かなのは、ヤンマは振り落とされなかったという、それだけだ。
一番最後に殺すのは子供によって違う。子馬のこともあったし、猫のこともあった。ヤンマの時は犬だった。三年を共に暮らした、焦げ茶色の、耳の立った犬だった。
多分、自分は「うまく」出来たのだろうとヤンマは思う。奪うものの重さが解らぬ者に、奪う資格も、それで某かを購う資格もなし。あれはそういうことなのだと知ったのはそのすぐ後だ。
柔らかかった毛皮の感触はしばらく手に残ったが、もう思い出そうとしても出来はしない。ヤンマにとってはそれくらい、昔の話だ。 

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 ヤンマさんの幼少時代の思い出。
 シノビなので、一応そういう教育受けてます。親しいものでも殺せる教育。冷血なのではなく。
 親しい者を殺さなく無ければならなくなった時、躊躇わないための。先にその痛みを知っておくための。
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2012/08/29
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