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2024/09/23
 音叉

 彼が人ではないことはすぐに判った。
 いかにも質の良さそうな白い服を纏った彼は、珍しい色の濃い肌をしていて、その肌色とは対照的にうっすらと灰色がかった髪は銀色をしている。そしてその前髪に少し隠れた額には、彼が人でないことを示す、赤い石が嵌っているのだった。

 (――あ。なに……?)

 その姿を見た瞬間感じた奇妙な既視感に、今まで感じていた不安も一瞬忘れて、メリルは瞬く。
 (私、この人を知ってる……? ううん、そんなはず無い、こんなに存在感のある人を忘れるわけない。)

 思いながら、メリルはそっと視線を逸らして顔を伏せる。神族や魔族の中には、時折額に3番目の眼を持っている者がいるのだと神話は言う。そしてその第三の眼には、大抵不思議な力が宿っているのだと。それに、他人の顔をあまりじろじろと不躾に見るものではない。
 その仕草をどう取ったのか、わずかに間をおいて、座りなさい、と声が落ちてきた。視界の端に映った手袋に包まれた手は、数歩離れた場所にある椅子を示している。
 その椅子が、どう見ても応接椅子で、しかも古びてはいるが手入れされた柔らかそうなクッションまで乗っているので、メリルはすっかり戸惑ってしまった。
 戸惑って、椅子と、彼の手とを見比べる。けれどどう取っても彼の発言はメリルに向けられたもので、彼の手は疑いようもなく椅子を示していて、散々迷ったあげく、メリルは慎重に椅子に近づいて、言われたとおり、座った。
「……顔を上げてくれないだろうか」
 言われてメリルはそろそろと視線を上げる。少し怖かったが、言うとおりにしないのも怖い。それに、どうやら目の前の彼は、メリルや村人を襲って食べてしまう羅震鬼達とは違うようだ。
 いつの間にか彼は、向かい側の椅子に腰掛けていた。その彼と眼があって、濃い青をした瞳が少し細まる。なるほどな、と彼が呟いたけれど、メリルには何のことか判らなかった。
「――俺の名はゼロニクス。今は神力を抑えているが、マキシウスと同じく神で――彼の友人だ」
 友人。この人――否、神様が。
 その一言はメリルを驚かせるのに十分だったが、それでもその事実は、ひどく自然に胸の内に落ちて、前からあったことのようにそこに溶けこんだ。
 (ああ。そっか。)
 気付いてしまえば、最前からの緊張が、少しだけほぐれた。この人は嘘を吐いていない。この人は、マキシ様の友達だ。

 (この神様が懐かしいのは、マキシ様の魂が、懐かしがってるからだ……)

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 某所のゼロ様を見たらゼロ様萌えがパァンと弾けて、

 ……弾けて、でも出てきたのはその萌えとはあんまり関係ないネタでした。



 メリルさんとゼロニクスさんではじめまして。

 マキシさんはゼロさんのこと好きだし、ゼロさんはマキシさんのことが大事だと思う。この辺別にホモでも普通に友情でも良いんですけど、マキメリ優先の人なので友情かな……

 マキシさんもゼロさんも、自分から見て相手がどういう奴か、他からの評価はどんなか、みたいなことはメリルさんに語るんだけど、相手をどう思っているか、みたいな深いところは話さない。
 でもメリルさんはマキシさんの魂を持っているので、マキシさんの気持ちがなんとなーく解る。
 ゼロさんは、メリルさんの容姿やら魂やらがやたらとマキシさんに関連付いていたり、メリルさんが人間の女の子だというのでちょっと気が緩んだりで、うっすら内心みたいなものが行動に出て、やっぱりメリルさんに何となく気付かれればいい。

 メリルさんは、お互いに大切に思っているのに、戦わなきゃならないなんて、戦う理由は解っているし納得もするけど、やっぱりちょっと寂しいなぁと思っていればいい。



 しかしうちのゼロ様はちょっとお堅くていけない。真面目で理想主義なので、ちょっと天然気味です。あとマキシ様が関わるとちょっと女々しい……

 なんかもっと…………理想貫いてるが故の傲慢とか。あえて箱を開けるような不貞不貞しさだとか。魔力と攻撃力特化な烈しさだとか。そんな要素が欲しいものであります。
 最近ゼロ様をよく見かけるようになりましたが、それぞれのお宅にそれぞれな性格のゼロ様が居てとても楽しいです。
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2009/03/11
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