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2024/09/23

「痛った!え、帰った途端にこれはちょっと酷くないですか!」
「うるさい黙れ、自分が何年ほっつき歩いていたのか解っているのか!」
 感情にまかせて、セツナは叫んだ。頭の中のカッカと熱している部分とは別の部分で、珍しいなと他人事のように思う。本当に珍しい。彼が以前にこんな風に誰かを怒鳴ったのは、50年も前だ。
「ええと……」
 サイアスは眉を寄せて指を折る。両手が握り拳になって、もう一度開かれたところで、彼は首を傾げた。
「22年、ですかね」
「25年だ」
 わーおじさん凄い!流石は名軍師!殊更明るい調子で言ったサイアスは、だがセツナの醸し出す静かな怒気に気付くと、咳払いをして黙り込んだ。
 機嫌を取ろうとしているのが丸わかりだ、馬鹿者。間違えるわけがないのだ。紙切れ一枚残して消えたあの日から、ずっと気に掛けていたのだから。

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 サイアスさんについての妄想。あの人はねー、なんだか……お狐様姉弟と違って、長生きするには悟りきっていないイメージなんですよねー。
 機人3人は、印象がエネルギッシュなので、悟るとか悟らないとか関係なさそうな印象を持っているのですが。
 しかもサイアスって、表向きは祝福されて生まれた子供じゃないですか。でも本当に祝福されていたのかといったら、あまり歓迎していないような人達も居たのではないかと思うわけで。しかも多分育ったのは飛天なんでしょうけれど、身近にシェイドという、飛天外で育った、割と率直な性格の人が居て。
 真っ直ぐなものと婉曲なものと、両方を見て育って。……なんだか、そのどっちかに染まってしまえたら楽だと思うんですけど、あの人どっちにも染まりきれないんじゃないかって。
 で、しかも親しかった人はどんどん欠けていく。でも自分には獣牙と飛天の間の子であるというレッテルが貼られたまま暮らしていくわけで。
 そんな環境だったら、絶対拗ねると思うんですよね。だからサイアスには、多少自棄になっていた時期があると思ってます。
 (クラウディアの家の)貴族の出身で、しかも彼は特別な存在だったじゃないですか。だから一応式典なんかの正体も結構あったのに、突然行方を眩ませて、自分探しの旅(と称した放浪生活)……とか駄目ですかね。
 あとシェクラの結婚記念日には墓参りしないサイアスとか。ティータさんを見てラモンを思い出すサイアスとか。かつてシープさんの弟子だったので剣聖の称号が感慨深いサイアスとか。そんな彼だったら可愛いなと思っています。
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2008/07/11
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