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2024/09/23

「あれを人って言うんだったら、そりゃ確かに俺達は人殺しだ」
 昔と変わらぬ不謹慎な言に、ウルフェは心中で僅かに眉を顰め、けれど外面は小さく苦笑してはぐらかす言を紡ごうとし――しかしその唇は、何かを言おうとしたその形のまま固まった。
 言われた言葉の、その意味を一拍おいて理解して、ウルフェは背筋を泡立てる。
 まさか。この人は。
 その思考までを見透かしたように、白衣の男は口端を吊り上げて笑ってみせた。
「あいつ、見た目は兎も角、中身は充分人外だったぜ。見た事ねぇ組織なんかありやがんの」
 その薄紫の視線がつ、と滑って奥の戸棚へ行き着いた。鍵の掛かった戸棚。ウルフェはその中に何があるかを知らない。今までは知らなかった。
「まさか……解剖、したの?」
 何を、とは言わなかった。恐ろしくて言えなかった。
 男は肩を竦める。ごく日常的な、軽い仕草だった。今話している内容が冗談なんじゃないかと思うくらいに。
「折角殺した得体の知れねぇ人外を、検死もしないで埋めるほど馬鹿じゃねぇよ」

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 やっと一軍メンツが、当時のことを後輩に語る気になりました。
 というわけで、五層の最奥で一体誰が待っていたか。

 でもⅠのメディックは結構怖い人ですよ、という話。
 腹の内は黒い、って紹介に書いてるけど、こいつ黒い部分隠す気はあんまり無いんじゃないか、という気が最近している。

 検死は兎も角、どんな冒険者だろうと、死んだかどうだか確かめるくらいはやっていると思うんだ……
 だって殺した気になって死んでなかったら怖いじゃない……

 玉ネギがやったのはそういう「検死」であって、別に学術目的の解剖ではない。
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2010/04/29
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