星が降る、星が降る。
　遠い漆黒の彼方から、2万8400㎞の、力の軛を振り切って。


　それは大気に満ちるもの。空に満ちるもの。
　星の子である私達の、母なる光を作るもの。
　そう教えてくれたのはあなたでした。

――短気を起こしてはいけませんよ。
――必ず戻りますから。
――星の導きが頭上に在らんことを。
　あなたはそう言いましたね。あなたの優しい嘘を、私は信じたかった。
　いいえ、今でも信じています。だから私はあなたを喚ぶ。


　天に満ちるもの。ひとを形作るもの。

「流れ星よ、ここへ。――メテオ」

　あなたであったはずのもの。

　もしかしたらifかもしれない。
　病みゾでもないのに病んでるファンネル白ゾディ。
　作中の「あなた」は昔いた教会の神父様。白ゾディは孤児院出身なので、神父様にはいろいろ良くしていただいたようです。
　でも戻ります、って言ったけど帰ってこなかった。

　ゾディ達の扱うエーテルって、てっきり光を通す云々の方のエーテルだとばっかり思ってたんですが、wiki先生に聞いたら、「アリストテレスが提唱した、天体を形作る第五元素のこともエーテルって言うよ」というお返事を頂いたので、ゾディアック的にはそっちのエーテルなんだろうなと妄想。

　なんか解りにくい気がするので一応解説しておきますと、
　天体はエーテルで出来てる→重い元素は超新星爆発で出来た→ヒトは星の子→ヒトはエーテルで出来てる→死んだらエーテルに還る
　っつー思考で書かれてます……白ゾディの中ではそういう理屈なんだよ。本気で信じてるかどうかは別として。

　2万8400㎞というのは第一宇宙速度のことですが、これは音を重視して嘘ついてます……ほんとは時速2万8440㎞。