「つかぬ事を伺いますけれど」
「なぁにー?」
「どうしてこんなものを拾ってきたんですか? これ……ヒトデ、ですよね?」
「ん……まあさ、喰えもしないし見て綺麗でもないよ。でもさ」
「でも?」
「これ持って迫ると、殿下がすごーく嫌がるんだよね」
「…………」
「だから楽しくってうっかり持って来ちゃった」
「まあ……持ってきてしまったものは仕方ありませんわね。交易品として役立つかどうかは解りませんけれど……一応見かけないもののようですから、生息地を報告するのも重要ですし」
「……生息地」
「どうかした?タンジェリン」
「え、ううん!ちょっと良いこと思いついただけ!」
「良いこと?」
「あ、これには関係ないけど」
「……ふぅーん?」
「メリッサ、登録用紙を」
「お。珍しいな、お前が術具背負ってるなんて。今日オフだろ?」
「はい。探索はないので、タンジェリンさんに頼まれて、今から彼女と三層に行くところです」
「三層? そりゃまた、何しに……ああ、お前に声かけたって事は、ヨウガンジュウ辺りか」
「いいえ。卵だそうです」
「……卵って、ドラゴンの?」
「はい。傷のない、綺麗な卵殻が欲しいのだそうです」
「材料屋みたいな注文だな……」
「イースターだそうですよ」
「……この時期に?」
「さぁ……そこまでは私も」
「たっだいまー……あれー、洒落たリボンなんか出しちゃって、誰に贈り物さ、お嬢さん」
「ん、ハイ・ラガードのみんなにね、お土産というか、冒険のお裾分けというか」
「ふーん……でもそんなでかい箱に何入れ……これ、『球状の卵殻』?」
「うん。今日リヴェさんと採ってきたんだー。うちのギルマス……って、『カレンデュラ』の方の。すっごく樹海に詳しいから、こういうタイプの珍しい物なら気になるかなーって」
「ふーん……で、何で卵?」
「私がここまで来たのと、今から送るのとを逆算したら、向こうに着くのはイースターの頃かな、って」
「……うん、まあそういう考えでもいいけどさ。わたし達、新しい航路をいくつか開いたよね?」
「あ」
「ついでに、季節によって潮の向きも変わるって知ってるよね?」
「……あー!」
「なぁにー?」
「どうしてこんなものを拾ってきたんですか? これ……ヒトデ、ですよね?」
「ん……まあさ、喰えもしないし見て綺麗でもないよ。でもさ」
「でも?」
「これ持って迫ると、殿下がすごーく嫌がるんだよね」
「…………」
「だから楽しくってうっかり持って来ちゃった」
「まあ……持ってきてしまったものは仕方ありませんわね。交易品として役立つかどうかは解りませんけれど……一応見かけないもののようですから、生息地を報告するのも重要ですし」
「……生息地」
「どうかした?タンジェリン」
「え、ううん!ちょっと良いこと思いついただけ!」
「良いこと?」
「あ、これには関係ないけど」
「……ふぅーん?」
「メリッサ、登録用紙を」
「お。珍しいな、お前が術具背負ってるなんて。今日オフだろ?」
「はい。探索はないので、タンジェリンさんに頼まれて、今から彼女と三層に行くところです」
「三層? そりゃまた、何しに……ああ、お前に声かけたって事は、ヨウガンジュウ辺りか」
「いいえ。卵だそうです」
「……卵って、ドラゴンの?」
「はい。傷のない、綺麗な卵殻が欲しいのだそうです」
「材料屋みたいな注文だな……」
「イースターだそうですよ」
「……この時期に?」
「さぁ……そこまでは私も」
「たっだいまー……あれー、洒落たリボンなんか出しちゃって、誰に贈り物さ、お嬢さん」
「ん、ハイ・ラガードのみんなにね、お土産というか、冒険のお裾分けというか」
「ふーん……でもそんなでかい箱に何入れ……これ、『球状の卵殻』?」
「うん。今日リヴェさんと採ってきたんだー。うちのギルマス……って、『カレンデュラ』の方の。すっごく樹海に詳しいから、こういうタイプの珍しい物なら気になるかなーって」
「ふーん……で、何で卵?」
「私がここまで来たのと、今から送るのとを逆算したら、向こうに着くのはイースターの頃かな、って」
「……うん、まあそういう考えでもいいけどさ。わたし達、新しい航路をいくつか開いたよね?」
「あ」
「ついでに、季節によって潮の向きも変わるって知ってるよね?」
「……あー!」
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( 2010/05/08)
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