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2024/09/23

「ねぇ、これからどこ行く?」
 かたことかたこと、踏みならされた道を行く馬車の荷台で、月を見上げてエフィメラが言う。
 さあ、とミュルメクスは羽織った毛布をたぐり寄せる。この時期の夜は冷える。冷えた空気のぶんはっきり見える月が眩しいくらいだった。
「出来るだけこことは国交がない国だな」
 本当は逃げるルートも決めてはあったのだが、予想以上に慌ただしい出立になってしまった。これでは予定は変更せざるを得ないだろう。予定のルートが使えないなら、後はどこでも同じようなものだ。
「国交って言われてもねぇ。これだけデカけりゃ、何処の国だって同じようなもんでしょ」
「……なら、人の出入りの激しい国」
「ふんふん。それも出来るだけ素性が明らかじゃない奴らが集まるとこがいいね。そうだなぁ、冒険者の聖地、迷宮なんてどうよ」
「世界樹の、か? 悪くないな」
 そう、悪くはない。迷宮なんて御伽噺の中でしか聞いたことがなかったが、だからこそ尚更、悪くない、と思った。現実味のある話よりは、よほど夢想めいていて良い。
「でしょ?退屈し無さそうだしさ」
「それで、何処に行く気だ。ラガードは遠すぎるだろう」
「そうだね。ラガードはなしとして、……あたしはアーモロードがいいな。母さんの生まれたところの海が見たい」
「……では、アーモロードへ」

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 黒プリと姐パイ。
 国を逃げ出した直後辺り。でもまだ多分国内なんじゃないかな。

 Ⅲの設定は管理人の拙い世界史知識をフル動員して作ってます。と言っても実際の史実や出来事に準じているわけではなく、参考程度の扱いですが。
 タイトルにもありますけど、黒プリの生い立ち関係は某「黄金の鳥籠」を意識していたりします。
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2010/05/14
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