「メリッサの手は魔法の手ね」
ぽん、と投げ出された言葉に一瞬思考が止まった。
「メリッサの手にかかると、ただの粉からパンでもケーキでも出来てしまうんですもの。……私が砂に水を掛けても、そんな風にはならないわ」
その所為で尊く華奢な手が小麦粉の山に触れるのを危うく許しそうになり、慌ててメリッサはボウルを遠ざける。
「だ、ダメですファーラ様」
空を切った指先とメリッサを不思議そうに眺めて、ファーラは瞬く。
「いけなかった?」
何か悪いことでもしただろうか、ファーラの声にはそんな色が滲んでいて、慌ててメリッサは首を振った。
「そうではありませんけど……汚れてしまいますから」
「……そうかしら」
「はい。粉はちょっとしたことで飛びますし」
「でも、私はメリッサの手を汚いとは思いませんけれど」
ぽん、と投げ出された言葉に一瞬思考が止まった。
「メリッサの手にかかると、ただの粉からパンでもケーキでも出来てしまうんですもの。……私が砂に水を掛けても、そんな風にはならないわ」
その所為で尊く華奢な手が小麦粉の山に触れるのを危うく許しそうになり、慌ててメリッサはボウルを遠ざける。
「だ、ダメですファーラ様」
空を切った指先とメリッサを不思議そうに眺めて、ファーラは瞬く。
「いけなかった?」
何か悪いことでもしただろうか、ファーラの声にはそんな色が滲んでいて、慌ててメリッサは首を振った。
「そうではありませんけど……汚れてしまいますから」
「……そうかしら」
「はい。粉はちょっとしたことで飛びますし」
「でも、私はメリッサの手を汚いとは思いませんけれど」
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( 2010/08/15)
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