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2024/09/23

 某所で呟いていた、Sい保留中の設定、の更に先の分岐ルート鬱展開の一場面。
 完全な「IF設定」です。本編はこうなりません、というかこうなったら困る。

 女性向けです。なんかいちいち曖昧な書き方してますがガチで女性向けで、コトに及んでてちょっと痛いのでマジお気を付けください。

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 抗いようのない暴力的な快苦が一度に襲ってきて、思考が白熱する。甘さよりは激しさの勝る交合、乱れた呼吸に閉じることもままならない唇からは、意味を為さない喘ぎが漏れた。為す術もなく与えられ、奪われる感覚に、とっくに綻んでいた意識が悲鳴を上げる。
 断続的な快楽の波に翻弄され、全てを浚ってゆくような強烈な熱から逃れようと、きつく瞼を閉じる――そのまなじりに、ふと熱を持った感触が触れた。
 行為とは打って変わって、まるで労るような触れ方に、ランビリスはうっすらと瞳を開く。
 ほとんどぼやけた視界に映るのは、ごく至近の距離にある青年の顔だ。ふと掛かった情欲の熱を帯びた吐息にぞくりと身を震わせながらも、ランビリスは己に狂おしいまでの熱と狂乱を与えている相手を見上げる。
 灯りが落とされ、一つきりの明かり採りの窓にもカーテンが下ろされた室内では、例えレンズがあったとしても、相手の表情を読み取ることは難しい。
 それでも、カーテンの隙間から僅かに入り込んだ月明かりを反射する、濃い青の瞳に宿る光を――緩んだ快楽による責めの合間、僅かに取り戻した思考と理性が理解して、ランビリスはやるせなく顔を背けた。
 その拍子に眼の縁に溜まっていた涙が目頭を伝って零れて、鼻筋と頬を伝ってシーツに染みを作る。その濡れた頬に、褐色の指が触れた。ランビリスが思わず瞬くのにも構わず、熱い指先はひどく丁寧な仕草で、水滴を拭ってゆく。
 最前の感触は、涙をなめ取られたのだとようやく理解して、ランビリスは言葉に出来ない思いをのみ込んで眼を閉じた。瞼の裏に思い描くのは、先ほど見たミュルメクスの瞳に宿った色だ。
 行為の最中だというのに、その行為を楽しむ余裕が欠けたような硬い色。笑みのない瞳。
 彼に、そんな瞳をさせているのは、他ならぬ自分だ。ランビリスが彼に――ミュルメクスによってこの部屋に捕らわれている、その事実。
 お前がいれば満足だと、彼は囁く。けれどその裏に、微かな罪悪感が潜んでいるのを、ランビリスは知っている。――だからこそ、やるせないのだ。
 ミュルメクスの取った強引な手段によって捕らわれたこの部屋、だがそれはおそらく、ランビリスの望んだことでもあったのだ。
 捕らわれてしまえば――どこにも行けないよう繋がれてしまえば、彼を想う心と、彼のしたことを許容するべきではないという二つの心に引き裂かれ、苦しまずにすむ。
 言わばこれは、ランビリスのエゴだ。
 ……だからこうして、硬い表情を見せるミュルメクスを見る度に思うのだ。これで、良いわけがない。彼を苦しめて良いわけがない。けれど、――
 思考が完成する前に強く抱き締められ、更には首筋に顔を埋められて、逃れられないままランビリスは小さく声を上げる。その耳元で、ミュルメクスが熱のこもった声で低く囁いた。
「……何処にも行かせない」
「…………っ」
 その声音の恐ろしいほどの真剣さに、身動きが取れなくなる。向けられる想いと、彼への愛しさから逃げることが出来ない。とてもではないが抜け出せない、この檻からは。
 檻から出ることが出来ないのなら、檻を無くしてしまうしかない。だが、ランビリスにはそれが出来なかった。
 彼を想う心以外の全てを、裏切ることが出来なかったが故の、この結果なのだ。
 今更。己の全てを裏切ることが出来るのか。
 自問に答えを返す前に、再び律動を開始され、思考が霞む。襲い来る甘やかな衝撃に、思惟がぐちゃぐちゃに溶かされ、かき乱されてゆく。いっそ苦しいほどの悦と熱に、堪えきれない嬌声が上がる。
 そうして残酷なまでに高められる快楽に、ランビリスが涙を滲ませるたびに、ミュルメクスの指がそれを拭ってゆく。単なる快楽に対する身体の反射だと解っているだろうに、まるでそうすることで涙以外の何かも拭い去れるとでも言うかのように、褐色の指は最後まで丹念に、執拗に涙を拭い続けた。



 2.5次創作(……)。
 ……解ってる、色んな意味で痛いのは解ってる、みなまで言うな……
 年齢制限ってどの辺のラインからアウトなんですかね……声も単語も具体的な描写も全部除いた上で(いや、ちょっと除ききれてないけど)、どれだけエロく書けるかっていうのはちょっと挑戦だったりしますが。


 擦れ違いの大好きな私は、例えIFでもすれ違わせる。 

 バリは色々葛藤してますが、プリは別に、その葛藤を捨てろ、なんて言ってないんですよね。まあ捨てろって言われなくても、葛藤を捨てるか乗り越えるかして、解消しないとバリは苦しいだけですけど。
 というか、プリは今までも「こうしたらいいのに」(髭剃ってみたらいいのにとか)くらいは言ってても、バリを変えようとするようなことはほとんど言ってない……はず……
 一つの例外なくバリの全てが好きなので、葛藤も何もかも全部バリの一部ならそれは全部持ったままでも良い、傍にいて欲しいから捕らえた。
 でも代わりに一つだけ、自由を彼から奪った。

 そういう痛い話。
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2010/08/10
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