人によく似た鬼の手が中空を掴んだ。キリと何かを引き絞る仕草、その手に青白い光が収束する。
光の矢の本性は青い稲妻、鈎爪さえない指から解放された瞬間、音より速く飛んだ矢は人の姿をした神を射らんと空を裂く。
真っ直ぐに標的を目指したその矢は、だが神の胸を射ることはなかった。
じゅう、と音を立てて白熱する矢は消滅した。――その矢を受け止めたマキシウスの手の中で。
初めて鬼の眼に驚きにも似た色が浮かぶ。
矢の纏っていた高温の陽炎を払いのけ、目覚めた荒ぶる神は、少年の顔に獰猛な笑みを浮かべた。
光の矢の本性は青い稲妻、鈎爪さえない指から解放された瞬間、音より速く飛んだ矢は人の姿をした神を射らんと空を裂く。
真っ直ぐに標的を目指したその矢は、だが神の胸を射ることはなかった。
じゅう、と音を立てて白熱する矢は消滅した。――その矢を受け止めたマキシウスの手の中で。
初めて鬼の眼に驚きにも似た色が浮かぶ。
矢の纏っていた高温の陽炎を払いのけ、目覚めた荒ぶる神は、少年の顔に獰猛な笑みを浮かべた。
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( 2008/07/26)
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