促されて、アレックスは進み出る。建物の影から出た瞬間、強い日差しに灼かれて一瞬視界が白熱した。視力が戻るのと同時に、わっという歓声が上がる。広場の石畳を埋め尽くした人々。


　血も地位も経験も知恵も愛情も、およそ親として与えられるものは全て与えてくれた父だったけれど、それでも最後まで自由だけは与えてはくれなかった。
　――だからきっと、今度も逃がしてはくれないのだろう。

　否、くれなかっただろう、と言うべきなのだろうか。彼はここには居ないのだから。

　飛天王様万歳、誰かが言った。
　それに優雅に微笑みかえして、そうして彼は、宣戦布告を口にする。

　即位して、最初の大仕事が部族間戦だったのだと考えると、相当大変だったのではないかと思うのです。部族王様方は。
　上記の飛天王様は父王様に対して恨みというか、なんだかアレな感情を抱いておりますが、実際は別にそんなことはないと思います。多分。

　なんだか飛天王様に関しては病んだ話ばかり書いている気がします。気がするというか、事実ですが……
　でもヤンデレ好きです。表面上普通で、フィジカルにはほとんど出ないのに、メンタルでヤンデレなのが好きです。