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2024/09/23

「例えば、死体になりたてのアンタの心臓を取り出して、アタシにくっつけたとして」
 嫌な例え話に、ルキアはわずかに鼻に皺を寄せたが、お構いなしにドロシーは続ける。
「アンタの心臓はアタシの中では動かない。アンタとアタシは違う個体だから。アンタからもってきた心臓は、アタシに由来する組織じゃないから、アタシの一部にはならない……拒絶反応ってさ、知ってるでしょ」
「あんたの話で言うなら、あんたが私の心臓を攻撃するんでしょ?」
 握ったコーヒーカップの中で、白いミルクが渦を作って混ざり合ってゆくのを眺めながら、ルキアは答える。ドロシーの握るカップの中は、はなからカフェオレだ。
「詳しく言うなら、自分と違う『印』を持ってるものを攻撃するんだわさ。毒を出すわけでも癌になるわけでもないのに、印があれば攻撃して消そうとする。……で、そのまま放置しておいたらどうなると思う?」
「……心臓が溶ける」
「この話が面白いのは」
 どこが面白いのかと、嫌な想像にげんなりするルキアの正面で、ドロシーはカフェオレに口を付けた。
「心臓はあくまで本人であり続けようとするところだわさ。本体なんてとっくに死んでるのに、それでも宿主に同化しないで、呑み込まれるのに抵抗する」
 抵抗。それはつまり、
「つまり――宿主を攻撃する」
 後は泥沼だわさ。眼鏡の奥で、紫色の瞳が笑うように光った。

「宿主が死んだら、心臓も死ぬのにね」

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 科学って医学を含んで良いんだよね……?
 そんなわけで、並んで話す仲かどうかも解りませんが、ルキアさんとドロシーさんで会話させてみました。免疫のお話。

 一応心臓は羅震鬼の暗喩。



 マッドじゃないんだけどおかしい科学者が好きです。
 狂ってないけど常識が人と違う。

 ところで、世間でマッドサイエンティストなキャラクターというと、高確率で医学者か生物学者だと思うんですけど、しかし普通に科学者キャラだと明らかに工学分野の人が多い不思議。…………や、最近は生物工学ってありますけどね。

 何でマッドにそういう生き物系のエキスパートって設定が選ばれるかと言ったら、多分生命倫理に関してのイメージなんだろうなぁ。あと生き物は勝手に増えるし考えるから、手に負えなくなるってストーリーが作りやすいんだろうな。
 偶に見かける、メカに精通してて生物学の知識もある万能科学者キャラは卑怯です。格好いいじゃないか。
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2009/08/02
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