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2024/09/23
 神羅

 恐れておいでですか。
 何を、と彼は言わなかった。

 多分、否定することも出来たのだ。恐れてなどいないと、「王」であるならばそう答えるのが正しいのだと思った。
 どう答えるべきか逡巡して、けれど彷徨わせた視線の先、まるで試すような硬質な色を浮かべた瞳が視界に入って、――ふと、吹っ切れた。
 今更繕ってみたところで、その虚実などはきっとすぐに見抜かれる。ならば試されているのは、今自分が己の心を語るか、在るべき姿を演じるか、だ。
 どちらを選ぶかは、自分の理性次第。
「……はい」
 はたして、アレックスはそう答えて、ゆっくりと息を吐いた。

 そう、自分は恐れている。人を殺すことを恐れている。

「では、精々恐れることです」
 驚いて思わず言った彼の方を見ると、ナルサスは、最前アレックスがそうしていたように十字架を――その向こうのステンドグラスに描かれた、血の気を失った死者達を見上げていた。
「奪われるものの価値を知らぬ者に、奪う権利などありはしません」
 それは驕りです。言って彼は、ステンドグラスからアレックスに視線を移す。その作り物めいて整った表情に、何か奇妙な感情を見て取ったような気がしたが、それが何かを読み取りきる前にかき消えてしまった。
「貴方の魂はあるべき姿をしておられます。――お心は正しく在られますよう。驕りの果てにあるのは、滅びでしかないのですから」

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 初陣の後、みたいな。

 生き物を殺めるのが怖いのは、二度と元には戻らないのを知っているから。
 戻らないものの重さを知っているから。
 それだけ重いことを、己の手が出来てしまうから。
 だから恐ろしい。

 一章飛天でアレックス様にキツイ事も言えそうなのはナルサスだと思っているので、ナルサスに喋ってもらいました。私はナルサスに意味深なことを言わせたいらしい。
 あの人は、称号からのイメージもあるけれど、敬虔な人だったらいいなぁと思っています。
 ラモンさんも、それなりに信じてはいそうだと思います。祭壇の方には出来るだけ足向けて寝ないし、戦闘の後には十字くらい切るよ!
 将軍職って生死と近いところにいるのだから、それくらいはして良いと思うんです……
 因みにうちのメルキ様の信仰はポーズだけです。見えない物はないって事にしておく主義。
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2009/10/13
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