欲しいのは世界の秘密。
誰も知らない世界の真理。
「……随分、大袈裟ですね」
試験管を洗いながら、アスエルは言う。言ってしまってから、これは随分失礼なことを言ったんじゃないかと気付いたが、当のラティエルはいつもの得体の知れない笑顔で、大袈裟なもんか、と軽い調子で反駁した。
「研究なんてのは、何だって『最初に識ること』だ。記録、検証、実験、考察、地道にそんなのを積み重ねて、そうして研究者は初めて、世界で誰も知らなかった秘密を知る権利を得るんだ」
逆を言えば、彼は続ける。
「研究の目的なんてそれだけだ。特に基礎研究なんてのはね。発見なんてもののほとんどは直接役には立たないことで、精々が仲間の研究者が他の研究をやるのに役立つくらいだ」
「だが、もしも君が世界の真理のひとかけらを識る、それだけのために貴重な時間を捧げるというのなら、私は喜んで君を私の研究室に迎えようじゃないか」
誰も知らない世界の真理。
「……随分、大袈裟ですね」
試験管を洗いながら、アスエルは言う。言ってしまってから、これは随分失礼なことを言ったんじゃないかと気付いたが、当のラティエルはいつもの得体の知れない笑顔で、大袈裟なもんか、と軽い調子で反駁した。
「研究なんてのは、何だって『最初に識ること』だ。記録、検証、実験、考察、地道にそんなのを積み重ねて、そうして研究者は初めて、世界で誰も知らなかった秘密を知る権利を得るんだ」
逆を言えば、彼は続ける。
「研究の目的なんてそれだけだ。特に基礎研究なんてのはね。発見なんてもののほとんどは直接役には立たないことで、精々が仲間の研究者が他の研究をやるのに役立つくらいだ」
「だが、もしも君が世界の真理のひとかけらを識る、それだけのために貴重な時間を捧げるというのなら、私は喜んで君を私の研究室に迎えようじゃないか」
基礎研究って、なかなか生活の役に立ったりはしないよなと思って。
えーと、ラティエルさんとアスエルさんの出会い編……みたいな話です……
助手だか家政夫だかになる以前から既にアスエルさんがこき使われてます。
マッドどころか領収書メーカーである。
PR
( 2009/09/01)
ブログ内検索