力を失った先王には、魔王は注意を払わないだろう。だがそれでも、再び魔王が己も含む彼等に洗脳の手を伸ばしてこない保証はなかった。心と記憶を支配する相手の手管を知ってはいても、二度目のそれに抗いきれるとは限らない。
それに例え力を失っていても、操ることが出来さえすれば、部族王への不意打ちも可能だ。何より再び敵として彼等の前に立たせることが出来れば、その精神的なダメージは計り知れない。一度手に掛けようとした父に、もう一度刃を向けられるか。
――おそらく彼等は戦うだろう。恐ろしいほどの葛藤を抱えながら。
半減した力より、城を――領地を守る責務より、もう一度彼等の前に立たなければならない可能性。それが彼を一番強くここに縛りつけている。
それに例え力を失っていても、操ることが出来さえすれば、部族王への不意打ちも可能だ。何より再び敵として彼等の前に立たせることが出来れば、その精神的なダメージは計り知れない。一度手に掛けようとした父に、もう一度刃を向けられるか。
――おそらく彼等は戦うだろう。恐ろしいほどの葛藤を抱えながら。
半減した力より、城を――領地を守る責務より、もう一度彼等の前に立たなければならない可能性。それが彼を一番強くここに縛りつけている。
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( 2008/09/01)
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