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2024/09/23
 神羅

 ……大した犠牲じゃない。
 私の、この片眼一つで己の命と弟の命、購えたのだから安い物だ。
 それに、もう片眼は未だ残っている。完全に盲てしまったわけでもない。

 そう思っていたのに、失血に倒れた床で、傷の発する熱に魘されながら、唐突に惜しくなった。
 理由なんて一つしかない。弟が泣くから。
 何度も何度も謝るから、お前の所為じゃないと言った。庇わなければどうせどちらか死んでいた。
 泣くな、とも言った。

 泣きそうな顔で手ぬぐいを絞るのを見ながら、こんなに悲しくなるくらいなら、眼なんてやらなければ良かった、と思った。

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 例えばもし、身体の一部を失った人を愛することになったとしたら。

 それが代わりになってあげようとか、そんな関係ではなかったとしたら。


 もしその人が、失った経緯を語ってくれなかったら、やっぱりどうして失うことになったのかというのはとても気になるんじゃないでしょうか。
 知らない過去があって。
 失った物があって。

 ……そうしたら、ふと、もしそれを失わせたのが自分だったら。

 そんなことを考えはしないでしょうか。


 実際は、ちゃんと彼女両目ありましたけどねー。明らかになっていなかった頃はそんなことを考えていました。

 帝なサイガ様とそれにひっそりと寄り添うクオンさんが好きなので、妄想もそんな感じになるのですが。

 例えば、クオンさんが片眼を失うことになったことの原因が、子供の頃のセツナだったとしたら。

 なんというか、クオンさんは丸ごと全部サイガ様の物だと思うんですよ。角の先から爪先まで全部サイガ様の物。
 でもね、たった一つ、無くした片眼だけはサイガ様の物にならないんです。
 セツナのために失ったからきっとその片眼はセツナの物。そしてもう片眼はないからどうしようもない。
 そんなことになったら、サイガ様はもの凄くセツナに嫉妬するんじゃないか、とか。
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2007/10/18
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