「――っ悪巫山戯は、」
「悪巫山戯?」
シーツの隙間から滑り込んでくる声のトーンが低くなって、知らず手を握りしめた。その手首に巻き付いた紐をなぞる感触がする。いっそそれから進む気の無いような丁寧な動きで、絹の鈍く光る縄目をなぞる指先は嫌味なくらい整っているだろう。
「散々はぐらかして」
僅かに食い込んだ皮膚の上をつと指先が掠めていく。
「応えもせず」
く、と紐を引かれて腕が軋む。
「一体どちらが悪巫山戯なのでしょう?」
囁かれた声に皮膚の下の血がざわめいた気がした。
「――ねえ、陛下?」
「悪巫山戯?」
シーツの隙間から滑り込んでくる声のトーンが低くなって、知らず手を握りしめた。その手首に巻き付いた紐をなぞる感触がする。いっそそれから進む気の無いような丁寧な動きで、絹の鈍く光る縄目をなぞる指先は嫌味なくらい整っているだろう。
「散々はぐらかして」
僅かに食い込んだ皮膚の上をつと指先が掠めていく。
「応えもせず」
く、と紐を引かれて腕が軋む。
「一体どちらが悪巫山戯なのでしょう?」
囁かれた声に皮膚の下の血がざわめいた気がした。
「――ねえ、陛下?」
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( 2007/11/20)
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