「ああ、夜が明けますよ」
溶けない氷と、芯まで凍える大気の支配する、この厳格なる白の大地。
見渡す限りの雪原が橙色に染まり始める。
彼は眩しげに眼を細めた。
――極夜の夜が明けてゆく。
「ばぁか。こっちはとっくに明るいっつーの」
電話口からの声にそう返す。
雪に降り籠められる町に昼を吹き込む光。
「早く帰ってこいよ。のろのろしてて、また夜になったりしたら承知しねーから」
溶けない氷と、芯まで凍える大気の支配する、この厳格なる白の大地。
見渡す限りの雪原が橙色に染まり始める。
彼は眩しげに眼を細めた。
――極夜の夜が明けてゆく。
「ばぁか。こっちはとっくに明るいっつーの」
電話口からの声にそう返す。
雪に降り籠められる町に昼を吹き込む光。
「早く帰ってこいよ。のろのろしてて、また夜になったりしたら承知しねーから」
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( 2008/02/10)
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