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2024/09/23

「髭を剃った方がいい」
「なぁんで。自分としちゃ気に入ってるんだけど」
「ない方がより若く美しく見える」
「別に老けて見えて構いませんよ……っと、おいこら触んな、作業中」
「私は、己の好いたものには最も価値ある状態であって欲しいと願う」
「はいはい」
「だからお前にもそうあって欲しい。故国で寵愛すると言えば、そうするために金銀や労力を注いでやる事を指す」
「今のあんたに金が無くてほんと良かったよ。…………そんで?ご寵愛して仕上げたところで、お前のそりゃ見て楽しむしか使い道がないだろ? お国じゃ貴族連中に自慢でもすんのかい」
「そんなのは御免だ、か? ――そういうこともある。だが、美しいものは自分だけのものにしてしまいたいものだ。それを磨き上げる間、磨き上げた後でさえ、他人の目に晒すのは惜しい。優れたものはそれだけ人を惹きつけるからな。……だから帝は女達を後宮へと集め、或いは宝物庫を作り、その門扉を固く閉じているのだ」
「…………」
「そうだな、髭を剃るのは後でもいい。人目に晒したくはないから」
「……お前さ」
「何だ?」
「自分の言ってることに疑問を感じないか?」
「何かおかしいことがあるか?」

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 アーモロードより。
 黒王子と眼鏡バリスタ。
 今は追われる身だけどそこそこ継承権の高い王子様と、ただいま絶頂情勢不安中の故国から逃げてきた機械系技師。

 言い換えると自分の価値観信じて疑わない王子様(18歳)と、本気なのは知ってるけど相手にする気のない大人(今年30)。
 年下攻めが好物です。
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2010/04/16
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