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2024/09/27

 自分はコイツに振り回されているのだと思う。
 例えば、だ。

 始めの頃、抱きしめるのを躊躇った。
 コイツが戦闘者だということも、食えない奴だということも解っている。
 ただやはりこの体躯は、力を込めるには細いし軽すぎて、どうにも危なっかしい。

 気を抜いている間に、ろくでもない悪戯をされたことがある。
 すぐ調子に乗る奴だから、殴ってやろうかと思ったことさえあるのだが。
 結局、実行できたことはない。

 他にも普段は本心なんかちらとも見せない癖に、ふとした折に甘えてきたりする。
 ガキや側近にそうすることがないのは知っているから、ついそれに応えてしまうのだ。

 どうにも自分は振り回されている。
 いっそ翼ごと腕の中に抱いて、飛び立てないようにしたいと思う程度には。

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 背中合わせ。
 樹影に潜む者共の足音に耳を澄ます。
 1つ、2つ、3つ4つ……約40。退路はない。囲まれている。

「なぁギーファ、これって千客万来って奴?」
「私達が出向いてきたのですから、満員御礼の方が適切では?」
「満員って、ここ屋外じゃん」
「万『来』ではないでしょう」
「まあいずれにしろ、おもてなししなくちゃなー」
「ええ、捜すまでもなく出てきてくれたんです、こちらも張り切らねばなりませんな」
「んじゃ、いっちょ行くか!当たんないよう気をつけろよ、ギーファ!」
「それはこちらの台詞ですよ。――さあ、踊りましょうか、シザースドール」

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2006/03/13
 神羅

Let's go!

 突っ走れよ、今すぐ
 欲しい物があるなら

 遠慮なんかせず、その手で掴み取ってやりゃいい
 物だって心だって、actionしなきゃ手に入らない

 立ち止まるなんてnonsense
 息切れはまだ先だろう?

 さあ、地面が見えたら
 突っ走ろう、今すぐ

 道なんて走らなくたっていい
 不正非合法なんだってーの?
 転んだって擦りむいたって、泥だらけになったって
 それくらいの凹凸がなきゃ、走るのだって面白くないぜ!

 物だって心だって、actionしなきゃ手に入らない
 突っ立ってるだけの幸せ、そんなもんnegative!
 
 さあ
 突っ走れよ、今すぐ
 馬鹿みたいに、真っ直ぐ!

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2006/03/07

「少しはご自分の身分をお考え下さい」
「だが、」
「言い訳は聴けません」
「……ここにいては下が見えない」
「下々や地方のことなら年一の視察でご覧になって居られるでしょう?」
「…………か?」
「はい?」
「…市街に降りたいと、思うことはないのか?」
「私を幾つだと思っていらっしゃるのですか?もうそんな元気はありませんよ」
「…………」
「……もし、責務が重いというのなら」
「私は投げ出したいわけではないよ」
「解っておりますとも。……どうぞ覚えておいて下さい。貴方とこの国土を支えるのが私たちの役目だと。貴方にもしもの事があれば国は立ちゆかないのです」




「…市街に降りる元気はなくとも、人を押し倒す体力はあるわけだ?」
「お嫌ですか?」
「……いいや」
「ふふ」

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 神羅

この繋いだ掌の、流れ込む体温のように。
言葉では伝わりきらない言葉気持ち想い全部、伝わったらいいのにと思った。

そんなことを言えば、君は不精の言葉だと微笑うのだろうけれど。
言葉が足りない私には。
誇りが邪魔する私には。

言葉でも行動でもなく。
ただこの体温で伝えるしか術がない。


愛しているという世迷い言のような言葉を言えば、君は笑うだろうか。

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2006/03/05
 神羅

 貴方が死んだんだ。
 いつ死んだっておかしくないところに立っているのは知っていたけれど、貴方が死ぬなんて思いもしなかった。
 高を括っていたわけじゃない。

 一人でふらりと行ってしまって、散々心配させて、そんな余裕もなくなったとき、やっぱりふらりと帰ってきた。
 そんな貴方だから、大丈夫だろうと思ったんだ。
 それに貴方は強かった。私よりずっと。
 なにより貴方は明るい人だったから。
 そんな貴方の、死に顔なんて想像できなかった。

 いつだって先陣を切って敵へと向かっていく、優しくて強い人。
 だから貴方についてきた人だって沢山いたのに。それともそれが徒になったのか。
 未だやることはあったでしょう。貴方への期待。帰りを待つ人たち。貴方が愛した風景だって。
 ゲームのエンディングのようには上手くいかないし、ハッピーエンドと言うには問題も山積みだけれど、それでも少なくとも、すこしの平穏くらいはあったはずなのに。

 ずっと一緒にいた貴方は、たった一人で逝ってしまった。

 貴方の声も笑顔も仕草もちゃんと覚えていて、いつだって思い出せる。でも、思い出すのはやっぱり、今までの貴方で。
 あの日あの時より後の、貴方の記憶は何処にもなくて。
 
 貴方のこれからは何処にもない。
 貴方はもうどこにも居ない。

 どこにもいない。
 どこにも

 どこにも。

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2006/01/14
 神羅

 血色の悪い指が、半透明の板の上に踊る。長い指がそれぞれ別の動きをする様は、さながら蜘蛛のようだ。
 指先が触れると、赤い文字は一瞬光を増して、すぐに元の光度へ戻る。それが何度も続けられて、やがて手の動きが止まった。
「……消耗率18.6%、撃破率15.2%」
 口を尖らせて呟いて、アナンシは持っていた板を腕で挟んで、その肘を曲げた膝の上に器用に載せて頬杖をついた。
「結局今日も負け戦、かぁ」
 憂鬱そうな台詞に反して、表情に憂いはない。幼い顔のパーツは、ただ退屈を表している。その表情に、ほんの少し苛立ちが混じった。
「…誇りだの、何だのってさ。そんなのどうだって良いよ、大事なのは結果でしょ?」
 ねぇ?とアナンシはその細い体躯に似合わぬ右手の指先でつり上げた、自らが飼う子蜘蛛に問う。空中で、黒い蜘蛛はわさわさと八本の足を動かした。
「ベリアールサマは詰めが甘いしさ。マステリオンサマは動かないし」
 ふい、と指を振れば蜘蛛は放物線を描いて近くの枝へと引っかかった。
「……みんな怠けてるよ」
「――そう言うでない」
 唐突に聞こえた声アナンシは振り返る。声の主の予想は付いている。
「そんなこと言ったってさあ、ボーンマスター。僕なら絶対ベリアールサマよりも上手い作戦が立てられたよ」
 ボーンマスターは僅かに肩をすくめる。吹いた風がボロボロの裾を揺らした。
「…ベルアール様にはベリアール様の考えがあるのだ。それはマステリオン様とて同じこと」
「納得できないなぁ」
「理解し、飲み込め。そうでなければ識ることはできぬ」
「わからなくったって知っていることは出来るよ」
「では訊くが、お前が知っている兵法の作戦は幾つある?」
「ざっと……200くらいかな?」
「それだけの知恵も、使う場が解らなければ役には立たぬ。どの策が有効か見極めるためには、理解せねばならぬ」
 滔々と、ボーンマスターは語る。
「…………」
「解ったら、付いてこい。マステリオン様が四天王を送り込むそうだ」
「!」
 アナンシは半ば伏せていた顔を上げた。
「やっと動くんだ?」
「そうだ。……戦況も一転するだろう」
「やったね、これでアスタロットサマのきぃきぃ言う声聴かなくても済むよ」
 髪を揺らし、ぴょこんと岩の上から飛び降りて、アナンシはボーンマスターの後を追う。

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2005/12/12
 about

 ブログに書くにはちょっと短すぎるネタ等々の掃きだめです。  九助とは和菓子を作った後の切り落としなどの余った部分のこと。切り落としでも物は最高、と言うような意味。

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2005/12/10
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