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2024/09/25

 幸福を願うのが愛だと先人は言った。
 ならばこれは友愛でも親愛でも情愛でもない。


(独りなら良かった。孤高なら良かった。頼ることも頼られることもなく。)

 未だ小さかった手を引いた。
 心が凍えないように言葉を与えた。
 そうして独りにならないよう導いた。
 

(だが、寄る辺ないままなら護ってやれたんだ)

 戻るべき場所も行くあても、共に行く人も目指すものもなく。
 それはとても寂しいものなのだが。

(……独りのまま、なら)

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繰り返される皮肉。
他愛ない揶揄い。
偶に仕込まれた自嘲と、
巧妙に組まれた言葉。


順番に示されるミスリードや仕掛けを一つ一つ見破って、
何所まであんたに近づける?

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2009/01/08

「ご覧よ」
 青い瞳が向いた先を追って、ホルストは眼を細める。白んだ空と黒く塗りつぶされた地平、その境界。
 ちかり、と。さした光があっという間に光度を増す。溢れる光、目覚めゆく地平。
「日の出だ」
 ゆっくりと姿を顕してくる太陽は眩しすぎて、手をかざして、更に顔を背けたホルストとは違い、ミロクは未だ地平へと眼を向けている。

 どことなく機嫌の良い彼の顔にも日が差して、瞼が頬が橙色に染まる。

 そうですね、君は変わりゆくものが好きだから。
 でも私はどちらかといえば、この一瞬だけを切り取って大事にとっておきたいのです。


 (この一瞬が永遠になればいいのに)

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2009/01/01
 聖餐

「こんにちは、マルガリーテ」
「わあ!お久しぶりですね、サイアス様」
「え?そうかなぁ」
「そうですよー、マザーにカンヅメにされてから、サイアス様に会うのは初めてです」
「カンヅ……ああ、でもそんなになるか。あんまり見に来られなくてすまないな」
「いいえー、気にかけてくださってるのは知ってます。でも施療院では、サイアス様がマザーを怖がって足が遠のいているんだって、まことしやかに」
「ええ!?それは参ったなぁ、格好悪い話だ」
「大丈夫ですよう、シスター達は誰も信じてませんから!」
「……の、割にはティータさんに会いに行っても、調理場に入れてもらえなかったんだけど」
「ああ、それは違います。お達しが来たんです。調理中は絶対サイアス様を調理場に入れないようにって、カレン様から」
「…………」
「サイアス様、何かなさったんですか?」

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 神羅

 白いノートに、赤い字がだんだん増えていく。一桁二桁三桁四桁……
「……今月も赤字」
 余計な出費ばかりが嵩んでいるとしか思えない帳簿は、もう随分と黒字を計上した覚えがない。というか、一度もない。いや、やっている内容が内容だから、黒字になるはずもないのだけれど。
 それにしたって、とアスエルは帳簿を眺める。右側に積んである領収書と借用書の山からはあえて目を逸らした。学究の徒としてはあるまじきであるが、金勘定からくらいは目を逸らしても良いだろう。
 あ、今月は光熱費が妙に嵩んでる。濾紙の消費も激しい。もうこの時期サンプル分離は終わったはずじゃないですか。また蒸留水でコーヒー入れましたね。後器具拭くときは濾紙じゃなくて雑巾使ってくださいよ!
 後で文句を言わなくてはと思いつつ、次の領収書を手に取る。帳簿に数字を書き込もうとしたときだ。
「アスエル君、ちょっと来てくれ!」
 またか、と思いながら、廊下の奥から聞こえてきた声に、水槽の魚が驚かない程度の音量で応える。これも結構大事な研究材料だ。
「今手が離せないんですよー」
「手が離せないって、書類整理だろう!」
 そんなことは良いから早く来なさい、手伝ってくれ!
 貴方そんなこと言いますけどね、帳簿の計算は途中で止めると面倒なんですよ?
 残りどれだけ費用が使えるか知っておかないとマズイでしょう。
 というかここに積み上がっている領収書はほとんど貴方が作った物ですよね!
 はあ、と溜息をついて立ち上がる。
「解りました、でもちょっと待ってください!」
 書きかけの領収書をノートに挟む。
 こき使われる雇われの身って、ちょっと辛い。
 まだ領収書が二山。勘弁して欲しい。
「アスエル君!」
「はい!」
 とりあえずは返事をして、椅子の背に掛けてあった白衣を引っかける。
 ああ、なんだかまた領収書が増えそうな予感がするんですけど。
 漂ってくる異臭的に、なんだか徹夜になりそうな予感がびしばしするんですけど。
 それでも、どんなに嫌な予感がしたところでアスエルは行かなければならないのだ。
 ああまったく。
 あの人の才能に恋するなんて、自分も馬鹿なことをしたものだ。

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 神羅

 瓦礫に埋もれたくらいでは死なない私達の研究室は、地盤の安定した地下にある。半分以上を占拠したコードと基盤、工具やデータディスク。
 無機に覆われた部屋に、けれど見るからに異質なものが一つあった。
 もう随分昔の部下のものだ。
 箱に入った等身大の人形。ベルトで所々を固定されて収められたそれを、出してみる気はさらさら無かった。
 これを扱うのは私ではない、という気がしていた。動かした経験はなかった。また使ってみたところで、記憶にある彼ほど鮮やかに扱えるとは思えないし、そうなる気もない。
 この人形を操るのはたった一人で良い。

 この体を構成する60兆の細胞全てが無機に置き換わっても、60兆の細胞を統べる、たった一つの私の意志は、決して彼を忘れないだろうと、ピグマリオンは思っている。

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2008/12/18

 何から言い訳したらいいのか解らない……

 ええと…………大した物ではございませんがホルミロで、所謂ヤオイでございます。
 えっと別人度高いです。別人度というかむしろ別人そのものです。
 このサイトの物にしてはエロい話です。ぶっちゃけ致しているだけです、すいません。


 いや、本当にすみません。
 でもたまーに書きたくなるじゃないですかいつもと違う方向のものって!!
 ……あ、はい、力説するな。ごめんなさい自重します。



 何度も言いますがホルミロです。
 大したエロはないですが、このサイトにしては異質な話ですのでお気を付けください。多分R-15くらい?

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 神羅

 そのアルバムの最後には、一枚の古びた写真が貼ってある。
 とてもとても古い写真で、既に茶色く色褪せてしまって、細部はよく解らない。微かに残っている独特の色合いは、今では既に使われていない薬品によるものだ。
 写真は人物を撮ったもので、日常を撮ったのではなく、何かの記念なのだろう、家族とおぼしき人物が3人、微笑みを浮かべて写っている。

 それが誰なのか訊いたことはないのだけれど、ただ彼がその写真をとても大事にしていることだけ知っている。

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2008/12/13

 ええと妖怪パラレルの酔月の続き……です。

 ベリやんと師匠で会話しているだけの話です。……いや会話すらしていないかもしれないですが。台詞が少ない。

 ところでこのパラレルだと、もうかなり年季が入っている師匠と、ようやっと成熟しはじめたベリアールみたいな、師匠がうわてな、神様と力ある魔物っていう関係なんですけれどもどうなんでしょうこれ。

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 酔月

 以前メモで呟いていた、神羅で平安妖怪ものパラレルをちょっと書いてみました。



 陰陽師サイガ様とか、その式のクオンさんとか。
 京の妖の王様のエドガさんとか。龍族と九尾の間の子のセツナさん(クオンさんと姉弟で相変わらずエドガさんの参謀)とか。
 龍神なライセン師匠とか。
 異国から渡ってきた鳥系妖怪のクラウディアさん(本国では失踪扱いで大騒ぎ)とか。
 同じく遙か昔に異国から渡ってきてライセン師匠に負けた(昔はもう少し血の気の多かったベリやんとかダメ、です、か)所為で帰れず、京に居着く羽目になってしまったベリやん(それなりに強力な存在なので、他に影響が出ないよう神域の結界内をふらふらと)は師匠と酒でも酌み交わせばいいとか。
 帝は女帝でテラス様。で、帝に対しても態度の大きなサイガ様とか。
 髭が居るとしたらやっぱり異国渡りの技術者かしらとか。
 あとクラウディアさんは大陸渡りの妖怪なのでてっきり姑獲鳥の類と思っていたら、実はもっと神話に近い火の鳥の一族の出で、どーすんの的なことになったり。


 そういう内容なので、あわないなぁと思った方は退避してくださいませ。

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