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2024/09/24
 Raven

 金姫達のアーモロード行き前夜を書いたので、一方黒プリの方の逃亡前夜……当夜?について。

 うちの子紹介に出てなくて、多分これっきりしかでてこないんじゃないかと思うキャラが居るので注意。
 正直プリ/ショの人が書きたかっただけ。間違いなく介錯持ち。
 女性向けを思わせる発言があるので一応追記に畳んでおきます。

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 脈絡無く百合なので追記に。

 アーモロードに来る前の話。

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「取引をしましょう、私と」
 高貴な出自を伺わせる女が口にしたのは、意外な申し出だった。

「……取引たぁ良く言うぜ。俺ァ仲間は売らねぇよ」
「それはよく聞き及んでおりますわ。貴方の船は結束が固いそうですね。ですから貴方にそういったことはお願い致しません」
「へぇ?じゃあ何が欲しい?」
「北への航路を」
「……はん」
「聞けばあなた方は海域でも有名な一団であるとか。あの辺りの海にはお詳しいのではありませんか?」
「……それを教えりゃ命だけは助けてくれるってわけか?え?」
「それだけではご不満でしょう?お仲間のお命も、今回ばかりは見逃しましょう。それから、別途報酬を」
「随分気前がいいじゃねぇか。裏を疑うぜ、普通はよ」
「正当な取引だと思いますが?私は誇りにかけて、足下を見たり致しません」
「……俺と仲間の命、それから別の報酬と、北の大陸への航路。それで良いんだな?」
「ええ」
「……いいぜ。その話、乗ってやっても。だがよ、その別途報酬ってな、何用意するつもりだ? お姫様」
「貴方が欲しいもので、私に用意できるものなら、何でも。お金でも船でも用意いたしましょう」
「ハ、流石王族はスゲェモンをポンと出すと言うねぇ。だがよ、俺がそんなありきたりなモンで満足すると思うかい」
「さあ……どうでしょう。私は貴方ではありませんので」
「あんた等みたいなご身分の奴らに尻尾振るハメになって、俺がそれで腹の内煮え立たせてねぇとでも?――なァ、あんたが欲しい、って言ったらどうするよ?」
「……無欲な方ですね」
「ハァ?」
「私の矜恃を汚すだけで構いませんの? それで貴方には何の益もありませんのに」
「……あんた、自分の言ってる意味が解ってんのか」
「貴方、勘違いしておられます。目的のためには誇りすら捨てた振りをするのが、私の矜恃です」
「………………」
「それだけで、構いませんの?」
「……クソ、あんたみたいなヤツは苦手だ。いらねぇよ、俺が欲しいのは――船だな。あんた等から自由になったところで、どこにも行けねぇんじゃ様にならねぇ」
「それは重畳ですわ。お互いにとって」
「ああん?」
「私も、航海に協力してくださった方を、断頭台へ連れて行くのは嫌ですから」

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 またもやプリバリ女性向けです……今更ですが。
 場面は多分19階到達直後。
 18階時、地図的にもうすぐ19階への階段があるので、日暮れ近いけど野営しましょう、で野営して翌日進んだらカマキリけしかけられて進むに進めず、一日かけて突破法を練ってようやく19階に辿り着いて糸で帰ってきました、的な場面。

 ちょっとばかり女性向け要素があるので追記で。

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「……あの二人のことだけどさ」
「んー?」
「結局どうなの?デキてるの?」
「ぶっ」
「……そんなに面白いこと言った?」
「おま……面白いんじゃなくって……こんなとこでそんな話題振らなくったっていいだろ」
「やだねー、こんな所だから振るんじゃないか。場末……でもないけど、適当に夜も更けた酒場だし、下世話な話がお似合いじゃない?」
「そりゃそうかも知れねーけどな……仲間内のこと噂すんのは」
「まあ本人が嫌がってるとこに、火のない煙立てるのはどうかと思うけど。でも最近いい雰囲気のこと多いじゃない。どうなのかなーって」
「あー……まあ前に比べたらなー……ノンケだと思ってたんだけど」
「え?そう?」
「そうってお前、王子様の方は知らねぇけど、ランビリスの方は全っ然そんな気無かっただろ?」
「ああ、二人ってそっちじゃなくてね。…………ファーラ姫とメリッサの方のことなんだけど」
「…………!?!?」

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「アマラントス?」
「そ。あんたなら毒草にも詳しいかと思ってさ。聞いたことない?」
 妙に懐かしい気のする名前を口の中で繰り返し、とりあえずうちの在庫にはない、と答えかけたところで、告げられた花の名と記憶が繋がった。
「ありますよ。昔はこの辺にも生えてたらしいけど、今は無くなっちまったって話。俺も見たことはないですよ」
 ふぅん、と意味深に黒髪の女は呟いて、考え込むように目を伏せる。少し前から顔を出すようになった、常連客の一人だ。随分と若く見えるが、今は剥き出しになっている二の腕には、遠方の山岳地帯の僧院の風習だという刺青――薬師の資格を持つ者であることを示す墨が入っている。見たところ偽物には見えないのだが、まだ二十かそこらにしか見えない彼女が、どうやってこの年でそんな資格を持つに至ったのかは少し気になるところだ。もっとも、ここアーモロードでそんな詮索は野暮であるから、気になることとして頭の隅に留めておくに限るが。
「じゃあさ、そのアマラントスがどういう薬になるか――とかは?」
「いや、その辺は解らんね。むしろ毒草だっつうのも今知ったくらいで。……「アマラントス」ってのは、この辺の昔話に出てくる花なんですよ。神殿の周りに群生してたらしいですが、地震で神殿ごと海の底に沈んじまったらしい。この辺からなくなったのも、その地震で群生地が消えたのが大きかったんじゃないかと――まあ、最後は素人の予想なんで話半分に」

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「メリッサの手は魔法の手ね」
 ぽん、と投げ出された言葉に一瞬思考が止まった。
「メリッサの手にかかると、ただの粉からパンでもケーキでも出来てしまうんですもの。……私が砂に水を掛けても、そんな風にはならないわ」
 その所為で尊く華奢な手が小麦粉の山に触れるのを危うく許しそうになり、慌ててメリッサはボウルを遠ざける。
「だ、ダメですファーラ様」
 空を切った指先とメリッサを不思議そうに眺めて、ファーラは瞬く。
「いけなかった?」
 何か悪いことでもしただろうか、ファーラの声にはそんな色が滲んでいて、慌ててメリッサは首を振った。
「そうではありませんけど……汚れてしまいますから」
「……そうかしら」
「はい。粉はちょっとしたことで飛びますし」
「でも、私はメリッサの手を汚いとは思いませんけれど」

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2010/08/15

 某所で呟いていた、Sい保留中の設定、の更に先の分岐ルート鬱展開の一場面。
 完全な「IF設定」です。本編はこうなりません、というかこうなったら困る。

 女性向けです。なんかいちいち曖昧な書き方してますがガチで女性向けで、コトに及んでてちょっと痛いのでマジお気を付けください。

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「――あ、ちょっと待って殿下。買い忘れ」
「……戻るのか。この道を」
「そんな顔しない。大丈夫、すぐそこ」
「? 薬屋だぞ?」
「そうだよ。髪の染料はああいうトコで売ってんの」
「……まだ続けるつもりか」
「え?」
「髪。……染めはじめたのは、」
「いいよ殿下。いいよ、言わないで。……そうだね、ここには見せてやりたい奴は居ないねぇ」
「…………妙なことを言った。染めたければ好きにしろ」
「ううん。……ありがと。ねぇ殿下」
「何だ?」
「あたしの母さんの髪の色、覚えてる? 殿下が最後に会ったの、ちいーさい頃だったけど」
「覚えているわけがないだろう。お前の今の髪の色ではないのか?」
「あっは! そっか、そうだよねぇ。覚えてるわけ、ないよね」
「…………」
「あたしもね、実はもう、覚えてない」

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2010/08/10

 主様は滅多にお命じにならんかもしれんがな、
 それでも、儂等自身で手を下さにゃならんことは沢山ある。
 そういうときには、躊躇うな。
 それがお前と、主様の命取りだ。

 主様に向かう刃も毒も、全部受けて果てるのがお前と主様の盟よ。
 え?そうさ、だから解毒の術など要りやせん。

 毒に克つ方法は知らんでいい。
 お前に教えた毒のもな、知らん方がいい。その分慎重に扱えよ。はは。

 不満か。儂は教えんぞ。
 助ける術を知って居れば“まだ”と思うて殺せなくなる。
 いらん情けをかけるでないぞ。
 儂等は“どれだけなら死ぬか”さえ知っとりゃいい。
 それを越えたら……駄目だと思ったら殺してやれ。それが敵でも味方でも、自分でもだ。

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2010/08/07
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